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今日の講座でL/Cについてのご質問がありましたので、詳しく書いたものを紹介します。
L/Cは貿易取引で利用されます。
信用状統一規則によって基本ルールが定められています。
●L/C取引の図

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1.「契約の締結」 まず、輸出者と輸入者との間で契約を締結します。これがないと、始まりません。でも、契約成立前に強引にL/Cを発行してくる業者もあり、やはり国際取引の難しさを考えさせられます。以下、原則をお話しますが、実際には書類や荷物に不備があると、銀行が保証書を発行したり輸入者がL/Cの変更(「アメンド」と呼びます)をしたりと、面倒なことになるのです。
2.「L/C発行依頼」 輸入者は、本来ならば「送金で後払い」が理想ですが、そうもいきません。前払いで送金するのも危険なので、信用状を発行することで輸出者と合意しました。そこで、取引銀行にL/C発行依頼をします。継続的に取引があれば銀行も快くL/Cを発行してくれますが、突然窓口に行って「L/Cを発行してください」などと言っても、「お引き取り下さい」となってしまいます。 L/Cというのは、銀行が輸入者に代わって支払義務を負うものであり、言わば支払保証と同様のものです。だから、銀行と輸入者が交わす約定書を見ると、荷物は決済が終わるまで「銀行が所有権を持つ」ことになっています。荷物は銀行の担保となっているのですね。 銀行がもしL/Cの発行依頼を受けたら、融資と同様の審査を要します。100万ドルのL/C発行依頼であれば、1億円超の貸出+為替変動リスクの与信となります。今回は輸出サイドのお話なので、輸入L/C開設のリスクについては別の機会に譲りたいと思います。
3.「L/C発行」 輸入者の信用状態に特段の問題がなければ、取引銀行よりL/Cが発行されます。どこに発行されるかというと、輸出者の取引銀行に対して発行、送付されます。送付といっても電信です。輸入者にはこの発行したものの控が渡されます。
4.「L/C通知」(輸出サイドの銀行宛) 上で記述してしまいました。L/C通知銀行宛に電信でL/C情報が送られます。
5.「L/C通知」(銀行から輸出者へ) 銀行に到着したL/Cは、輸出者宛に通知されます。中には自行の取引先でない場合もあり、そういったL/Cであれば、一つのビジネスチャンスにもなります。海外の輸入者が通知銀行を間違えて指定することがあり(もしくは銀行が自動的に指定)、私もよく通知されたL/Cを持参して営業に出かけたものです。当然ながら、支店にL/Cが直接届くわけではなく、本部で一括して処理されるのが一般的です。
6.「船積み」 L/Cが無事発行されたことを確認すると、輸出者は商品を船積みします。実際には、発行されたL/CをFAXで輸入者から受け取り、早めに輸送してしまうことも多いでしょう。このときに、取引条件によっては海上保険をかけます(「付保」と呼びます)。CIF、C&F、FOBなどの条件がありますが、ここでは詳細には触れないことにします。
7.「船荷証券の発行」 これが「お金になる」有価証券です。Bill of Lading(B/L)と呼ばれます。通常は3通発行されます。
8.「貨物輸送」 船会社は証券を発行して、荷物を輸送します。これが航空会社のケースもあります。急ぎの場合は航空会社を使うことが多いのですが、船会社で送る予定が航空会社に変わってしまうと、大きな条件変更となり、余計に手間がかかることも。輸送手段については、当たり前ですが、注意が必要です。
9.「輸出手形買取依頼」 ここで来ました。「L/Cを買い取って」「輸出手形を買い取って」と言われるのはここの部分です。通常買取のためには、B/L(船荷証券)、Invoice(インボイス)、Insurance(保険証券)、Packing List(商品明細)と発行されたL/Cが必要です。他にCertificate of Origin(原産地証明)や特別な証明書、宣誓書などが必要とされるケースもありますが、これはL/Cしだいです。逆にL/Cに従った書類を整備していれば、買取は可能です。輸入側のL/C発行銀行も、文句は言えません。
*注意事項 (1)書類の不備 L/G(Letter of Guarantee)を銀行が発行して、書類を買い取ることもできますが、これは危険です。継続的に取引がない顧客に対してこれを発行することは勇気が要ります。L/C通りの書類ができていないと、買取に際してリスクが発生します。 軽微な不備であれば、まだいいかもしれません。単純なスペルミスなどはその典型例です。でも修正できるのであれば修正依頼します。 B/Lに記載された商品がL/C上の商品と違ったり、数量がオーバーしていたりすると、当然ですが、L/C発行銀行で支払を拒否されます。買取のチェックは、本当に細かいところまで見ないと、銀行のロスが出るので、事務リスクの高い仕事であると言えるでしょう。このチェックには、慣れても20分、難易度の高い書類になると、何回も何回もチェックしたものです。 (2)L/Cがない場合も L/C無しの輸出手形買取依頼もあります。これはL/C発行銀行の保証も何もないので、リスクは格段に高くなります。優良先であれば買い取りも可能ですが、「取立」扱いにして、輸入サイドの決済後に代り金を入金することも考えましょう。ただ、一般の運転資金の融資と比べると、貿易取引の裏付けがあるという点で異なります。単に「貿易は危ない」という気持ちで取引を拒絶するのはナンセンスかもしれませんね。
10.「買取代金入金」 書類に問題がなければ、顧客に資金を支払います。このとき、手数料や立替金利が控除されます。L/C上の通貨と入金する通貨が異なれば、通貨のExchange手数料も収益となります。円資金の融資と違って、幅広い手数料を獲得できるということで、銀行間で貿易為替の囲い込み競争が繰り広げられています。
11.「輸出手形送付」 輸入サイドの銀行に買い取った書類一式が送付されます。
12.「代り金支払」 輸出書類を受け取った銀行がL/C通りの書類であることを確認したら、輸出サイドの銀行に代り金を送金します。支払方法は複数あり、在日の東京支店の口座などで代金決済されることもあります。
13.「船積書類到着通知」 輸入側の銀行は、輸入者に対して船積書類の到着通知を行います。銀行は立て替えて代り金を支払っているので、なるべく早く輸入者に決済してもらうよう求めます。
14.「輸入代金決済」 輸入者は代金を取引銀行に支払います。それと引き換えにB/Lを入手します。輸入者は何が欲しいかというと、このB/Lです。これにより荷物を引き取ることができます。
15.「船積書類引渡し」 輸入者は船積書類をもらい、船会社へ行くことになります。
16.「船荷証券提出」 輸入者は船会社にB/Lを提出して、荷物の引取りを求めます。
17.「貨物引取り」 やっとここまでたどり着きました!輸入者は荷物を引き取ることができます。
●L/Cによる信用判断
L/Cを発行できる輸入者かどうか、そういった判断も輸出者側からできます。
輸入者は金融機関にL/Cを発行してもらうのですが、与信審査をパスしないといけません。十分な信用力がなければ、預金担保を差入れして、取引の都度(もしくは枠として)L/C発行を依頼することになります。
だから、金融機関にある程度信用されていることが、L/C発行できたかどうかによって多少分かります。
輸入者としては、書類が金融機関に届いてから代金決済をするので、下記の「前払い」送金よりも、金銭的なリスクを軽減することができます。
*B/L1通を輸入者宛てに直送する扱いもあります。これは、輸出者のリスクも上がりますし、金融危難のリスクも上昇します。なぜなら、通常は決済まで輸入貨物を担保に取っているのですが、これがなくなれば、破綻したときの回収対象財産が減ってしまうからです。当然、こういったL/C発行を許容する場合、与信審査の付加項目となり、慎重に審査されます。
●L/C以外の取引
送金取引があります。
送金でも、前払い、後払い、半金などの方法があります。
もしくは、手渡しで小切手を支払う方法があります。
前払いは、輸出者としては申し分ありませんが、輸入者としては金銭的なリスクがあります。
だからといって、輸出者として必ず前払いが有利かというと、諸条件をキッチリ金融機関発行の書類で決められているL/Cの方が適切な場合があります。ケースバイケースです。
●雑感
L/Cをチェックしていた外国為替事務の時代(2年目途中まで)もありましたね。懐かしく思い出されます。輸入企業が発行する際もチェックが必要ですが、輸出企業の場合は、銀行に買取(取立)依頼が来ます。輸出企業の場合は、invoice、insurance、B/L(Bill of Lading 船荷証券)、certificate of origin(原産地証明)、packing listなど、定められた書類がL/C通りに揃っているかをチェックします。品目や数量、書類の通数だけでなく、日付などもチェックします。当初発行されたL/Cだけでなく、amendment(変更)があることも。
輸出者が持参したものがL/C通りの書類でなく、amendmentが出ていないと、本当に輸入者がL/Cと違う内容を受け入れるのか、今度は金融機関にリスクが来ます。その際の対処も、仕事の中でありました。
なかなか理解できない、ややこしい取引の流れだったので、銀行員の中でも話ができる方が少ない分野でした。この辺の会話を営業担当として普通にできると、貿易会社などのお客さんからの反応は極めて良いですね。そのL/Cを発行するための約定書の条文の説明なども、新規契約時にきちんとしておりました。お客さんからは「キツいね!」などと言われながらの説明でしたが、きちんと話をしておいて、良かったと思います。
「これにハンコを押してください」では、合意した文書になっているとは限りませんからね。「そんな説明受けていない」などと、トラブルの火種を一つ作ってしまいます。現役金融機関職員の方は、ぜひ一度約定書の中身を読んでみて下さい。他人に説明できますか???
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